「雪の写真家 ベントレー」(J・Bマーティン 文 M.アゼアリアン 絵 千葉 茂樹 訳 BL出版)は、子どもの頃から雪の美しさに魅せられ、そ の結晶の形を残そうと、苦労を重ねます。雪の結晶は、どれひとつ同じ形がないのです。両親は、全財産ともいうべき牛を売り、発明されたばかりのカメラを 買ってくれました。すぐにとけてしまう雪の結晶。それを写真に撮ることに成功するのも、何年か後でした。生涯、農夫として生きながら、雪の専門家として、 広く世間に認められても、ひたすら雪の美しさを追い続けたウイルソン・ベントレーは実在の人物です。

  「今日も雪が降ります」と豪雪地帯の天気予報には、心が痛みますが、雪の結晶を思い浮かべると、少し救われる気がします。今では、雪の結晶の写真は、あたり前のようになっていますが、その陰に、ひとりの農夫の一生があったのです。

  話しは変わり、近年、水にも結晶があり、その写真集も出版されています。その中に、実験を行った結果がのっていました。同じ条件のもと、毎日美しい言 葉をかけた水、毎日汚い言葉をかけた水、そして無視を続けた水、と3種類の水で行った実験で、一番結晶が汚いのは?無視を続けた水の結晶だそうです。

  人間の体の大部分が、水分で出来ています。昨今の、悲しいいじめや自殺。無視や、汚い言葉を投げかけ続けられたら、耐えられない結果なのだと思いまし た。でも、反対に、心からの激励や、美しい言葉が、人間の体の水の結晶を美しくすることを思うと、子どもたちに「お話し」を「届ける」苦労は消しとんでい きます。

  今日も、また「お話し」や絵本の読みきかせを届けるボランティアに、元気に行ってきまーす。 (小川 三枝子)